環境学者である西()山玄学は、企業や企業の肩を持つ警察の圧力に屈することなく公害()の実態調査をする一方、代々家に()伝わる『諸世紀』の研()究をして()いた()。そん()な或る日、娘であ()る()まり子()の恋()人の中川が帰国()。まり子と中川の前で、父の西山玄学は「今の時代、先がどうなるかわからない。結婚しても子供は作るな」と残酷な忠告をした。数日後、夢の島()で合成防腐剤AF2のため巨大化したナメクジが大発生する。日本各地では()奇形児が増加する一()方で、亜鉛鉱山周辺では特定の能力が異常に発達した子供が現れる。中川の実家がある漁村が赤潮で全滅した夜、中川とまり子は互いに惹かれ()、ついに船の上で結ばれる。
西山は、人類の行き過ぎた開発が人類を滅亡させるとして、必要()以上の生産を止めるよう提言するが、人々の興味は生活の向上や生産()の増加に向いており、逆に「ヒューマニズムの崩壊」と批判される始末。国際会議も、発展途()上国の人口増加が環境破壊に拍車をかけていると主張す()る先進国と、先進国の資源浪費が環()境破壊の原因だと反論する発展途()上国が対立して紛糾する()。そんな中、太平洋()上の海面が凍りつき、エジプトで雪が降るなどの異常気象が発生。さらに、成層圏に滞留した放射能がニューギニアに降り注いだ()との知らせが届()き、国際合同調査隊が派遣され()ることになった()。西山の研究所からも2人の部下が派遣される。しかし合同調査隊は()行()方不明にな()り、西山や中川()らによる第2次合()同調査隊()が派遣された。そこ()で彼らが目の当たりにしたのは、放射能によって巨大化した動植()物()や、食人鬼となり襲いかかる原住民、そして洞窟の奥で生きる屍と化した第1次調査隊隊員の姿であった。彼らに拳銃を向ける外国人隊員を制止する玄学だが、「こうするほかに何ができますか?」と反論された玄学()も、自ら自分の部下()を射殺するしかなかった。
その頃、SST事故によるオゾン層の破壊で日本列島に超紫外線が降り注ぎ、山火事やコンビナートの炎上()が続発。さらに、異常()気象は世界各地に拡大し、各国の穀倉地帯()は軒並み全滅。暴騰する食料価格や大災害で人心()は荒廃し、食()料目()当ての暴動や若者の退廃が進行。ついにそれによる()二次災害までが()発生()し、東京の空はオゾン層の歪みで巨大な鏡と化した。大災害が頻発する中、西山の妻である伸枝は病に倒れ、玄学の腕に抱かれながら息を()引き取る。その()一方で、まり子の体には新しい命が宿っていた。
() 度重なる天変地()異に、西山は国会で様々な人類滅亡のパターンを警告し地球の危機を力説、破滅への展望を展開していく。その凄惨な内容に衝撃を受けた内閣総理大臣は、政治家()として大きな決断を()迫られた。その決断とは…。
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